野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

しかし昭和な会社ですな

TVで『白ゆき姫殺人事件』というドラマの予告編だか本編だかをやっていて、チラッと見たらなんとなく面白そう。あ、湊かなえ原作ですかなるほど。じゃちょっと読んでみよう。てなわけで。

白ゆき姫殺人事件 (集英社文庫)

白ゆき姫殺人事件 (集英社文庫)

 

化粧品会社に勤める美人OLがメッタ刺しにされて殺された上に、灯油をぶっかけて燃やされる。というど派手な殺人事件。この事件についての証言やら感想やらその他諸々、様々な人々による語りによってこの小説は構成されている。同じ事象に対しても、人それぞれのバイアスや思い込みによって認知のされ方は違ってくる。ほとんど誰も嘘は言ってない(言ってる奴もいるけど)のに、事実と異なる話がどんどん広がっていく。冤罪ってのはこうやって作られるのだな。
虚実取り混ぜた噂がSNSを通じて広まっていく、なんてあたり今時の小説らしい。そのSNSの書き込みのスクリーンキャプチャ風なものを「参考資料」として巻末に付けているのもなかなか面白い。ただしKindleで読むと字が小さくて、おっさんには少々キツい。
まあそれでも面白い。言ってることを真に受けたらエラい目に遭う、てな人が時々いるよねえ、ということを思い出させる。さすがイヤミスの女王。

赤鹿毛と篠峯をいただきました

昨年ノラ・ジョーンズがシアトルに来た時に、うーん平日だしどうしようかなと迷っているうちに150ドルぐらいの高いチケットしか無くなってしまい断念したものだった。ところがまた来日するなんていう話を聞いたので、今度はもう即決で予約した。チケットの予約は何ヶ月も前で、そんな先の予定なんぞわからんのだが、そんなこと言ってると前回のようなことになるので勝負に出たわけだ。
で、見事に出張が入ってしまったと。
何の嫌がらせやねんと思うが、行き先は名古屋の少し先で、用事は15時半ごろに終わる予定だし、そのまま急いで帰れば何とか間に合うのではないか。だいたいアレだ、18時半開演なんて言ってるけど、どうせ前座が30分ぐらいはやるだろうしその後で準備するのに10分とか15分ぐらいはかかるから、まあ19時回っても大丈夫だろう。という予想通り、会場に着いたのは19時前だったが前座は40分ほどやって20分の休憩後にやっとスタート。というわけで実質これは19時半開演ということではないですか。
前回の大阪公演を梅田芸術劇場で観たのは2012年だからもう5年も前の話だ。今回は大阪城ホール。ステージが遠いな…
前半はピアノ弾き語りがメイン。新譜に入っている"Tragedy"をやっていて、CDでこの曲を初めて聴いた時はなんだか声がヨレヨレな感じでノラ大丈夫か?と心配になったものだが、ライブで聴くと逆にしっかり声が出ていて良い感じ。途中でピアノからキーボードに変え、さらにはギターに持ち替えてあれこれ。そしてピアノに戻ってきて、"Don't know why"はやっぱり受けますわね。一曲づつバンドのメンバーが減っていって、最後ノラ一人になってやったのが"Little broken heart"に"Nearness of you"、これもまたよろしうございますねえ。そしてまたバンドのメンバーが戻ってきて、最後は"Carry on"。
そしてアンコールはノラちゃんアコギで他のメンバーもちょっとカントリーバンドっぽく"Sunrise, sunrise"、"Creepin' in"そして"Come away with me"ってこれ、前回も同じじゃなかったっけ?
ちなみに、早くもセットリストが出てますな。
ノラ・ジョーンズ来日公演2017のセトリをまとめていきます。 - 「K’s今日の1曲」管理人Kのサイト運営四方山ブログ
ノラちゃんまたちょっとゴツくなって貫禄出てきたけど、あのスモーキーヴォイスは健在で、やっぱり聴いてて気持良いですな。
さてライブが終わって帰ろうとするのだけど、そりゃもうすごい人で。電車に乗るのも一苦労。だから大阪城ホールって嫌い。
時間は遅いけどお腹すいたので、天満で途中下車してちょいとたゆたゆで焼きとんなど。

こんな時間に焼きとんなんぞ食べたら確実に胃もたれするけど… 美味いよね焼きとん。

国内盤のCDって高いよね

坂本教授が8年ぶりに新譜を出すという。こらえらいこっちゃ、と待ち構えていたのだが、CDが税込3,780円ってずいぶん高いのよな。輸入盤はもっと常識的な値段のようだが出てくるのは1ヶ月以上先のようだ。もうダウンロードでもええかな、と思ったりもするが、ジャケットのアートワークがなかなか美しく、こういうのはやはりCDで欲しくなる。困ったもんだ。結局、スタシアクーポン2,000円分があったので、こいつを活用してNU茶屋町タワレコでCDを買うことにした。

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すでにAmazonでは多くのレビューがついているが、ずいぶんと好みが分かれているようだ。わたくしはといえば、大変気に入って聴き倒している。ノイズや環境音を多用し、さらにはポエトリー・リーディングまであったりして、もう何がなんだかよくわからない事になってしまっているが、そのあたりの尖り具合が良い感じで。1曲めの"andata"からすっかりヤられてしまうのだが、時にもの哀しく、また時には不穏で、かつ美しい音響には不思議な中毒性がある。
教授の最高傑作と言っても良いかも知れませんな。

水煮魚食っチャイナ

中華を食うなら大人数に限る。というわけで総勢7名にて南森町中国郷菜館 大陸風なる店へ。本格中華っぽい。
ピータン豆腐、よだれ鶏、玉子春巻き、ハチノスの唐辛子炒め、小籠包、エビとアスパラの卵白炒め、麻婆豆腐、魚の唐辛子煮込み、豚ミンチのレタス包み。野菜炒め。そしてラーメンと炒飯でトドメを刺す。よくもまあこれだけ貪ったものだ。
麻婆豆腐が美味いのが嬉しいところだが、魚の唐辛子煮込みという四川風の料理がまた、ビジュアルも味も素晴らしい。まず、唐辛子てんこ盛りの状態で出てきてビビらせる。

400本ほど入っているとのこと。そしてこの唐辛子を取り除くと、中の白身魚が出てくる。

ヒラメだったかな?底にはモヤシが敷き詰められている。こいつらに唐辛子の味が染み込んでいて、たまらん美味さだ。
そんな感じでビールも紹興酒も進んで、すっかりお腹ぱんぱん。でそこからなぜか、浅野日本酒店へ行こう、ということになる。まあ腹ごなしに歩くには程よい距離だろう。
今代司の蔵元さんが来ていて、飲み比べセットなんてものが出ている。

左端の錦鯉柄のやつが美味かった。…高いけどな。
さらに臥竜梅。

で茨木まで戻って、さらに某所でグラッパなぞ飲んで。などしていたらすっかり泥酔した。なんとか電車で、フラフラになりながら帰宅したことだった。
いやあ堪能いたしました。

月曜日はどうしたんだ

この前はついうっかり『アイ・スパイ』なんていうバカ映画を観てしまった(めっちゃ面白かった)けど、実は『ロクヨン』の後半を観ようと思っていたのだった。

64-ロクヨン-前編 通常版DVD

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いやもうほんとに、最後までほぼ原作通り。どこか原作と違うところ、あったかな?てぐらいに。後編の見どころは、新たに発生した誘拐事件の報道対応をさせられた気の毒な捜査2課長の、ガキの使いっぷりかな。思わず笑ってしまうぐらいに、原作を読んだ時のイメージ通りだった。
あと驚いたのは烏丸せつこ。エンドロールに名前が出てたんで、え、どこに?と思ったらあんた、あのオカンかいな。おばあちゃんやんかいさ… ってまああのお方も62歳ってんだから、当然か。いやね、中学生ぐらいのころ、NHK FMの「サウンドストリート」、火曜日の坂本教授、水曜日は烏丸せつこ、木金は渋谷陽一大先生、よく聴いたもんですよ…

せっかく帰ってきたのにね

アメリカン・スナイパー』はなんともヘヴィな映画だった。あれはあれで原作があるようだが、どうやらかなり関連がありそうなのが『帰還兵はなぜ自殺するのか』だ。数年ほど前に話題になった本だが、あの映画を観たのを機に、読んでみることにした。

戦場に行けば、死ぬかもしれない。生きて帰れたとしても、負傷する可能性がある。破壊と殺傷は戦争の主要なアクティビティだから当然だ。運良く負傷もせずに帰還できたとしても、実は精神に傷を負ったり、脳の機能を損なってしまうケースが実はかなり多いのだ、ということが先のイラク戦争あたりから知られるようになった。PTSDとかTBIってやつだ。 タフでマッチョなナイスガイが戦争に行ったら、かなりややこしい別人になって帰ってきた。『アメリカン・スナイパー』はまさにそんな話だが、本書での5人の事例ときたら、どうにも悲惨極まりなく、読み進めるのもなかなか辛い。胸ふたぐ思いというのはこういうやつだ。
こんなことがいまも起こっているのだ。これはたまらん。
ところで最近「がんだれ(厂)」が調子に乗っているようだ。キ◯ガイに核ミサイルのボタンを持たしたらあかんでしょうが。誰か止めてくれないだろうか。

人混みは苦手だけどね

南森町、というより大阪天満宮の近くに、コメノハナという日本酒が充実しまくりの立ち飲み屋がある。立ち飲みとは言ってもずいぶんと小綺麗だし、アテもなんだか洒落たものがあれこれあって、いやまったく困ったものだ。
ところで二十何年ぶりかで造幣局の通り抜けに行ってみたのだが、天満橋駅から大川を渡って南側の門から入り、北側の入り口に抜ける、あるいは大川に沿って天満橋に戻ってくる、というルートになっているのだな。かすかな記憶によれば、昔はJR桜ノ宮駅から行って、北側の入り口から入り、別に一方通行にもなってなかったように思うのだけど。

とりあえず、思いつく限りのありとあらゆる食べ物が屋台で売られているのには仰天した。これも時代の流れでごさいますな。知らんけど。