野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

自分で読んで面白がってりゃ世話ないわな

ミネラルウォーターは、わたくしボルヴィック派なんですけどね。
どういうわけか最近こいつが手に入りにくくなっている。
とりあえずコンビニでいうと、セブンイレブンには絶対売ってない。ファミリーマートもないかな。ローソンには売ってるところもある。ということになると、ほとんどのコンビにでは手に入らないということじゃないか。
自動販売機にもあまり売ってないな。JR(西日本・東日本とも)の駅の構内ならびにその近辺にも売ってない。と思っていたら、新大阪駅では、新幹線のプラットフォームの端っこの方の自販機にだけは売っていた。どういうことなんだこれ。

とまあ、かなりどうでも良いことですが、ブクレコの引っ越しの件。ブクログにインポートするためにCSVをフォーマット変換するためのスクリプトを書くとか何とか寝言を言っていたが、結局手付かずだ。というかそっちはほぼ諦めて、結局は本が好き!に手動で一件ずつコピペしている。とは言っても500件弱あるレビューを全部コピペするのも面倒なので、ちょっと読んでみて、今読み返しても我ながらそれなりに面白いな、と思えるものだけをコピペするようにしている。とりあえずいま本が好き!のレビューは120件ほどになっている。まだ1/4ほどか… このペースでは6月末までにおわりませんぜ。まったくどうしたもんかね…

お腹いっぱいになります

『大国の掟』を読んだ。イカついタイトルだ。

世界情勢を読み解くには、歴史と地理に関する知識が不可欠だ。いま起こっていること、あるいはこれから起ころうとしていることのベースには、過去に起こったこと、がある。また、地理はいわば制約条件、あるいは前提条件である。
過去に起こったこと、すなわち歴史のアナロジーと地理による制約条件を加えて考えれば、大国がどういう「掟」に基づいて行動しているかを理解し、今後のシナリオも想定できる。と、そういうわけだ。
いわゆるところの地政学ってやつですか。
言ってしまえば、今まであちこちでマサルちゃんが書いてきたことの繰り返しにすぎない。が、こうやってアメリカ、ドイツ、中国、ロシア、中東などの実例を見ながら個別に解説されると、なるほどな、と納得させられる。
そしてまた、イギリスのEU離脱とトランプ大統領誕生という2つの歴史的事件に挟まれた絶妙なタイミングで書かれたこの本は、その時点から起こっている様々のことについて振り返りながら読むと、また格別の味わいがある。
いずれにしても濃厚な一冊だ。消化不良に注意。

朝はもちろんのぞみ210号で

連休明けの先週は、久しぶりに出張らしい出張も無く、まことに平和で結構なことであるなあ、と思っていた。ところがその反動だか何だか知らんが、今週と来週続けて、東京方面へそれぞれ週2回づつ出張することなった。東京方面への出張なんてのはまあ週に1回ぐらいにとどめておくのが良い。週に2回、それも2週続けてなんてのはちょっとうんざりだ。
さて、夕方に新幹線に乗ると条件反射的にビールを飲んでしまうものだが、そんな事をしていると週2回の休肝日を確保することが難しくなる。週の前半、特に月曜日から水曜日にかけては酒を抜き、後半つまり木曜日ぐらいから解禁し、週末に浴びるほど飲む。昨年単身赴任をしていた時には、そのような運用を基本としていた。週3日などと無謀なことは言わないにしても、やはり週に2回ぐらいは休肝日を設けたい。そう考えると新幹線に乗ったぐらいのことで飲んでいるわけにはいかないのだ。
というわけでペットボトルのほうじ茶を買って新幹線に乗り込んだ。崎陽軒のシウマイ6個入りも一緒だ。シウマイなんぞ買ってビール無しで済むのか、と思ってしまうが、俺様のチタン合金製の意志をもってすれば、いけるのだこれが。偉いぞ俺様。チタン合金って軽くて硬くて、意外と折れやすいらしいけどな。
ところで、新幹線に乗る前にecute品川バウム尾山台というバウムクーヘン屋の、リモンチェッロ風味のバウムクーヘンなんてものを売っていた(5/21までの限定らしい)。ほう、なかなか面白いじゃないかと思ってもうひとつブランデー味のものと一緒に買い求めた。
帰宅後に食べてみたところ、なるほどなかなか美味いのだけど、さすがにちょっと酒入れすぎじゃないか?何だか苦いぞこれ。ここまで来ると、もうアルコールも無視できるレベルを超えてるんでないか?せっかく酒を抜いたっていうのに、こんなもん食べたらぶち壊しちゃうんか…

駅に置いてるのはパッとサッとな

先日Amazon.comであれこれダウンロード購入したうちのひとつが、パット・メセニー・グループの"Letter From Home"。 

Letter from Home

Letter from Home

 

 


これもまた、Amazon.co.jpのプライム特典で聴けるにも関わらず、あえて購入した物件だ。$8.99で、まあまあ安かった。
"Have You Heard"、"Better Days Ahead"、"Beat 70"、そしてタイトルトラックの"Letter From Home"といったいくつかの曲は、ライブ盤の"The Road To You"で何度も聴いてよく知っている。ふわふわしたギターが気持ちよくて、よく晴れた夏の日をイメージさせるアルバムだ。ジャケットのごちゃごちゃしたアートワークもまた、いかにもパット・メセニー・グループらしくて好ましい。
考えてみれば、本作の前である1987年の"Still Life (Talking)"から1995年の"We Live Here"までの4枚のアルバムがぜんぶ揃ったことになる。パット・メセニー・グループはだいたい好きだけど、この辺りは特に好き。何なんですかね。あの独特の浮遊感というのは"Offramp"のころからあるのだけど、あの頃はまだなんとなくひんやりとクールだったのが、1980年代後半ぐらいからこう、良い感じに暑苦しくなってきたという。

まあそんなわけでこれからの季節はやっぱりコレよね。

粘菌と醸造の関係について一考

昨年の暮れに帰国して以来、実はまだ宇久に行けてなかったのだ。これは由々しき問題である。
てなわけで。
転勤で大阪を去ってしまうというT氏と一献。

相変わらず日本酒の充実したラインアップがたまらんわけだが、あれこれ飲んだうちのひとつに「南方(みなかた)」というのがあった(写真左)。和歌山の酒だ。

南方熊楠となんか関係あるんか、と仔細に見てみると、「南方熊楠ゆかりの酒」なんて書いてあるじゃないか。

彼の実家は造り酒屋で、熊楠の弟である常楠がその後を継いだ。明治40年に大隈重信がその酒を世界一統と命名し、昭和46年に社名を南方酒造株式会社から株式会社世界一統に変更したという。なるほど。「南方」だけではなく「熊楠」なんていう酒もあるじゃないか。
南方熊楠は定職につかず収入もなかったので、造り酒屋で成功している実弟にしばしば
金の無心をしたという。まあせいぜいこれくらい名前を使って宣伝しても、罰は当たらんでしょうな。「南方」は辛口で、なかなかワイルドな感じの酒でござんした。

いずれ炒飯も

堺にはオモロい店があるんですなあ。
わたくしの周囲で絶大な人気を誇る「浜浪」という店で、宴会をやることになった。
中華料理店らしい。でも魚が美味いとか?
南海本線の湊駅から徒歩数分の場所にある。
長崎ちゃんぽん、とか書いてますけど。
料理はおまかせにしてある。突き出しにいきなり鮎の塩焼きとキュウリの酢の物とコハダの酢締めとホタルイカの沖漬け、なんて出てきた。これ日本酒が要るやつやんけ… と思いつつ生ビールを飲む。続けて刺身の盛り合わせが出た。美味い。そうこうしているうちに馬刺しが来た。馬刺し。

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うむむ。しかる後に、どばっと揚げ物が。鳥の唐揚げ、極太海老フライ、明太子手羽先ギョーザ。う、美味いやないけ。
うーもうお腹いっぱいです。と思っているところに皿うどんが運ばれてくる。あちゃー。けど皿うどん好きだし。これまた美味いし。
いやーすごかった。美味かったねえ、などと言っているとまさかの長崎ちゃんぽん登場。んなアホな。けどやっぱり食べてしまうのよねえ。
いやもうほんと、お腹ぱんぱんですわ…
炒飯がまた美味いらしいのだけど、さすがにもう無理。

 

実はこれで火曜日から4日続けて飲んでいる。ちょっと疲れてきた。というわけで2次会にも行かずまっすぐ帰宅した。まあ雨も降ってきたしね。

しかしこの雨では、土曜日の午前は走られへんな。この摂取カロリー、どうやって償却するんや…

順番がわかりにくいのよ

『螻蛄』を「けら」と読むなんて、フリガナがないとちょっと無理だろ。
なんでもそういう昆虫がいるらしい。そして、一文無しのことを俗にこう言うのだとか。そうか、「おケラ」ってここから来てるのか。
怪しい建設コンサルタントの二宮とイケイケヤクザの桑原、の名コンビがあれこれやらかす『疫病神』シリーズ、第2弾だと思って読んだけど、どうやらその間にも『国境』とか『暗礁』なんてのがあるようで。しまったな、と思ったが、まあ仕方ない。順番はさほど重要ではないだろう、たぶん。

螻蛄―シリーズ疫病神―(新潮文庫)

螻蛄―シリーズ疫病神―(新潮文庫)

経済ヤクザの桑原さんがらみのネタなんて、一見でかい儲け話のようだけど、関わったら絶対ロクなことにならない。というのは二宮くんも重々承知していながらも、なぜか巻き込まれてしまうというその成り行きが面白いわけでね。
あとやっぱり、えげつなくリアルな大阪弁の会話ね。このドライブ感がすごい。特に、二宮くんに対する桑原さんの皮肉、あてこすりからダイレクトな罵倒まで、そのバリエーションの広さとボキャブラリーには圧倒される。
そして二宮くん、生臭坊主や周辺のスジもんを相手に大活躍で、今回もまた満身創痍。喧嘩は弱いが実は打たれ強い。なかなかタフで図太い男なのだ。時にイケイケヤクザの桑原さんも呆れるぐらいに。
という感じで、面白い小説なのですよこれ。次はちゃんと『国境』を読まないとね。