野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

失敗の本質

なんだか四六時中メシの心配ばかりしているような気がするが、さて今日の晩メシはどこで何を食べよう。などと思いをめぐらせながら、何となくWhole Foodsに立ち寄る。ちょっと久しぶりかもしれない。実は先日SAFEWAYでチーズを買ってみたのだけど、どうもこれがイマイチうまくない。うむ、やはりチーズ買うならWhole Foods(知らんけど)、というわけで。オリーブも美味いのがあるしね。で、店内でスープとサラダでも食って帰るか、と見ていたら、そう言えばここってうどんがあるのよね。売場内にイートインできるカウンターがいくつかあって、そのうちのひとつがSUSHIとUDONを食べられるようになっている。

Whole Foodsの食品は良いのが多いけど、さすがにうどんはちょっと無理があるよな。と思いながらも、身体が勝手に動いて、気づいたらSHRIMP TEMPURA UDONを注文してカウンターに座っていた。やれやれ、飛んで火に入る夏の虫ってやつか(違)。インパール作戦ってのはこういうふうに決行されてしまったのかもしれんなあ。
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出てきたものを見た瞬間にタオルを投げ入れたくなったが、残念ながら手元にタオルがなかったし、そもそも投げ入れる先のリングがない。
なぜうどんにチンゲン菜を入れるのか、と問いたいところだが、もはやそれは瑣末なことだ。野菜がしっかり摂れて良いじゃないか。サイズがデカい、という指摘もさほど意味をなさない。マリア・カラスの歌声が甲高すぎる、と文句を言うようなもんだろう。それにしても、だ。
なんでうどんの汁がこんなに黒いのだ。
たとえばシャンパーニュパルミジャーノ・レッジャーノには、特定の地域のみで作られ、厳しい品質基準をクリアしてはじめてその名を冠することができる。というような制度がある。このような認証制度のうどんへの適用を、そろそろ真剣に考えても良い時期にきているのかもしれない。USDA認証のオーガニックが何だというのだ。そんなものはここではクソの役にも立たない。
でもまあここは異国の地。うどんを食べたことのない彼ら(って誰?)がイマジネーションをフルに働かせて、UDONってたぶんこんな感じやで、と試作を繰り返した末にたどり着いた答えがこれなのだ。マヨネーズとケチャップとA1ステーキソースで鍛え上げられた彼らの舌にとって、かつをだしの味など、悪い冗談にしか感じられないのだろう。「こんな味のついてないもんを客に出して金を取れるか、この馬鹿者が!帰るぞ中川。」というわけだ。で、ソイソースを奮発してみたらなかなかパンチの効いたブロースが出来上がって、great!とかawesome‼︎とか言ってたにちがいない。いやまあ、知らんけど。
とにかく、日本でこんな天ぷらうどんを出して1300円も取ってたら、暴動が起きたりスーパーに火をつけられたりすると思うな。
というわけで、Whole Foodsではおとなしくサラダとかスープとかピザを食べておいたほうがよろしいようで(けっこう美味いんだぜ)。