野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

見えるようにすること。

梅田の大丸ミュージアムで開催中の「パウル・クレー展」に行ってきた。実はクレーはもっとも好きな画家なのだけど、実物を見るのは初めて。でも無いか。昔マンハッタンのMOMAで1点だけ見た事があるような気がする。
まあそれは良いとして。今まで「クレーの画っていうのはこんな感じ」と思っていたのは、1930年代以降の、彼の晩年に描かれたものであるらしい。1910年代の半ば、チュニジア旅行のころの絵はまた随分と違った雰囲気で、ちょっとゴーギャンっぽい気がする。
クレーの魅力は、あの独特の色彩にあると思っていて、それは間違い無いのだけど、じつはそれだけではなくて線描にも何とも言えない味わいがあるのだと気がついた。線画だけの絵がいくつかあって、天使の画や、特に「別れ」と題された画は、シンプルの極み(そして、ヘタすると小学生の落書き)なのに、強烈なインパクトがあった。着色してない線だけで、あんなに表情を出せるとは。
今日は展示されてなかったけど、「忘れっぽい天使」など、クレーの天使といえば、結構有名だったんだな。知らんかった。