野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

昭和56年発行、定価260円

僕はだいたい、自分で買った本は、たとえそれがどれだけハズレであろうと無理やりにでも読み切るようにしている。
今から20年以上も前のこと、どういう事情があったのか知らないが、「原点からの発想―日本的英知の再発見 (1981年) (角川文庫)」という本を買った。買ったことは覚えてる。でもなんでそんな本を読もうと思ったのかはわからない。

原点からの発想―日本的英知の再発見 (1981年) (角川文庫)

原点からの発想―日本的英知の再発見 (1981年) (角川文庫)


覚えているのは、途中まで読んだけどあまり面白くなくて、読むのをやめてしまったことだ。
先日、法事があって実家に帰った際にこの本を発見し、何となくもう一度読んでみることにした。今なら普通に読めるし、けっこう面白い。この作者はずいぶん過激というか、少々偏ったものの見方をするな、と思いながら。先日読んだ「技術者力の高め方」という本には、日本人は計画的にものごとを進めていくのがあまり得意ではない、と書いてあった。また谷崎潤一郎の「陰翳礼賛」には、欧米人は自分たちの周囲の環境に対して、それを変えて行こうと努力するが、日本人はそれに適応し、折り合いをつけていこうとする民族である、と書かれていた。いずれもこの本に似たようなことが書かれている。なかなか面白い。
ところでこの時代、まだワープロは無かった(あったとしてもまったく一般的ではなかった)はずだが、どういうわけか本文に、「殺生関白」と書かれている部分があった。うそーん、「摂政関白」でしょ、それを言うなら。手書きの文章でこういう間違いってありなの?
そうそう、1カ所「的を得る」って書いてあったんだな。それを間違っちゃあいかんでしょう。一気に値打ちが下がりまっせ。
それにしても、最近やたらと重箱の隅をつつくような本の読み方をしてるな。
ええ、性格悪いです、すんません。