「ロング・グッドバイ」(長いお別れ)の村上春樹バージョンが出てますな。
たぶん僕は文庫になるまで待つと思うけど。
そんな状況で「頼むから静かにしてくれ〈2〉 (村上春樹翻訳ライブラリー)」を呼んだ。これの<1>を読んだのは1月の初旬だから、かれこれ3ヶ月近くも前だ。
- 作者: レイモンドカーヴァー,Raymond Carver,村上春樹
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2006/03
- メディア: 新書
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表題作は、以前「Short Cuts」の原書で読んだことがある。その時は何のこっちゃというのが正直な感想で、英語で読んだせいだと思っていたが、今回あらためて日本語で読んだが、やっぱり何のこっちゃだった。いや、何のこっちゃぶりがちょっと違うか。前に読んだ時は、主人公が夜の街をほっつき歩く部分については、実際にそうしているのか、妄想なのかよくわからなかった。それが今回、彼が実際に夜の街を彷徨していたのだということがわかった。それでも結局なんだかよくわからないことに違いはないが、少なくともカーヴァー的わけの分からなさに落ち着いた、というわけだ。
それにしても、カーヴァーの小説にでてくるキャラクタっていうのは、どうしてこう揃いも揃ってしょうもない連中ばっかりなんだろう。あんまり現実世界では関わりたくないな、といつも思う。
そうそう、この短編集は個々の作品はもちろん素晴らしいが、巻末の、訳者・村上春樹による「解題」が秀逸だ。これを読んで初めて、そうかカーヴァーはこう読むべきなのか、と思った次第。