野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

いわゆるバッタもん

日曜日の夕方、今日は良い天気だったのにほとんど家にこもりっきりだったな、と思って散歩に出かけた。
小一時間ほど桜通り界隈を散策し、南茨木駅前まで戻ってきたとき、寂れたレコード店(CD屋と呼ぶのは少々憚られる)の店先で、閉じまいのため店頭在庫分の国内盤CD全品50%オフ、という旨の貼り紙を見た。
これは、と思ったが、その店はすでにその日の営業を終了してしまったようにも見える(時刻は午後8時前だった)。店内の照明は薄暗く、店員もいない。営業しているようには見えない。しかし、入り口のドアは開いている。
思い切って店内に入ってみた。センサーが作動し、チャイムが鳴って店の奥から疲れ切った感じの初老の女性が出てきた。
なんと、営業していたのだ。そして、店内にはおもむろにBGMが流れ始めた。店を閉めるのはおそらく営業不振のためだろう。だから店頭在庫を投げ売りで処分してしまうわけだ。そういう、余分な経費は極力使わないようにしたいという状況においては、客も居ないのにBGMを流しておくわけにはいかない。
気持ちはよくわかる。それだけに、何だか自分が屍骸の肉を喰らうハイエナのように浅ましく思え、なんともうらぶれた気分になってしまった。
などと言いつつも、結局CDを1枚半額でゲット。
奥田民生は好きなのだけど、1枚もアルバムを持っていなかった。これもひとえに邦楽CDが高くて、かつソニーミュージックが頑にiTunes Storeでの販売に踏み切らないからだ。
というわけで、ついに念願の「E」を購入。

E

E


このアルバム、「鼻とフラワー」、「御免ライダー」、「先週の月曜日」、「哀愁の金曜日」、「来週の日曜日」など、人を食ったようなタイトルが並んでいるが、その音はなかなかどうして、ソリッドなロックだ。ちょっと80年代〜90年代のストーンズみたい。そこに、ちょいルーズなタミオのヴォーカルが乗る。ユルい歌だけど、「味がある」ではすまされないカッコ良さ。やりますな。


あの店、5月末までは営業してるみたいだし、またいこうかな。