野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

次は3月

先週、摂津市民ホールでの「桂雀々独演会」に行ったばかりではあるが、本日は茨木市クリエイトセンターにて催された「第6回ゆきち亭寄席 桂歌之助落語会」へ。
前回の第5回にも行っており、そのときはほぼ満員状態だった。今回はそれに輪をかけて盛況で、会場は人で溢れ返らんばかりになっている。
いつもお囃子はテープを使っているようだが、今回はスペシャル企画で、生の三味線が入った。そして普通の落語会とはちがって、最初に歌之助さんが出てきてお囃子解説をしてくれた。あの太鼓や笛などは、噺の中で効果音としても使われる。これは歌舞伎などでそのような使われ方をしているのを落語にも取り入れたものらしい。幽霊が出てくる際の、あの「ひゅーどろどろ」、初めてライブで聴いた。
ちなみに噺家が高座に上がるときのお囃子、つまり出囃子というのは、その噺家の芸風に合わせて決めているらしい。例えば桂米朝師匠ならば「三下り鞨鼓(さんさがりかっこ)」。これを歌之助さん、前座の佐ん吉さん、そして三味線の大川貴子さんの三人で実演してくれたが、なるほどいかにも人間国宝、ちゅう感じで風格がありますな。
それにしても噺家というのは、太鼓やら笛までできねばならんとは。
さて肝心の落語のほうですが。
開口一番は、桂佐ん吉さんによる「いらち俥」。勢いがあっておもしろい。
そして歌之助さんの「七段目」、中入り後は「骨つり」。
「七段目」は、汗をかきながらの大熱演だった。どうも暖房が効き過ぎていたらしい。これは、生の三味線を含むお囃子部隊が大活躍するネタだ。「いや、七段目から」というオチがしっくりきて、この噺は好きだな。
「骨つり」みたいな話って、ホント落語の基本パターンと言っても良いのではないか。今まで聞いた中でも、「青菜」、「時うどん」、「子ほめ」、みんなそう。要するに、何かうまいことやった奴がいて、ちょっと抜けた奴がそれを真似するのだけど、どうにもスカタン、というパターンね。知らない話でも、多分こうなるんやろなと予想でき、だけどやっぱり笑ってしまう。