野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

うなぎのお茶漬け出まへんか

昨日のXP祭りを途中で抜けてきたのは、夕方から繁昌亭で桂歌之助独演会があったから。
今回のラインアップは以下の通り

落語に詳しい人は、上のリストを見ると、ちょっと不審に思うかもしれない。なんでも、寄席ではできるだけ似たような内容の噺がかぶらないようにするものだそうだ(昨日初めて知った)。ところが、上記のネタは、「素人の芸事」というテーマが思い切りかぶっている。実は歌之助さんは今年、一年間毎月繁昌亭で独演会をやるのだそうだが、毎回テーマを設定し、あえて同じような種類の噺を集めることにしたのだとか。で今回のテーマは「よっ!迷調子!」。
「寝床」をやるのは最初から告知されていたが、他には何をやるのだろうと思っていた。予想では「軒付け」と「七段目」だった。一つは当たったがもう一つは外れたな。
「米揚げ笊」の前半部分、これって「池田の猪買い」と違うんか。少なくとも枝雀バージョンではそうなってたぞ。
「軒付け」を聴くのは3回目になるかと思うが、あの紙屑屋のテンさんが「しっかりお語り」とけったいな顔をして三味線を抱えるところは何度見てもおかしい。そして最後の「寝床」では素人ではなくてプロの、三味線の師匠が出てくるのだが、これを歌之助さんは「テンさんとは違います」とやって笑わした。反則かもしれんが、今回のようにあえて同じ種類の噺を集めたからできたことだな。
「蔵丁稚」の始まる前、お茶子さんが座布団ではなく、なぜかちゃぶ台(見台ではない)を持ってきた。さらに急須と湯のみを持ってきた。何じゃそら、コントでも始まるのか?と思ったら、本当にコントが始まった。歌之助さんとちょうばさんによる、楽屋裏での会話、という設定で。これがなんとも、ユルい感じで面白かったりするのだな。
そして、「寝床」。これも枝雀師匠のCDで聴いたことがある。話の大筋は同じだが、ディテールがまったく違う。大旦那が浄瑠璃をうなる様子がなんともおかしい。
来月のテーマは「子を思う親の心は様々」だったか。「崇徳院」ほか、となっているが残念ながら予定が入っていて行けない。次は3月の「夜中に何ゴソゴソしてんねん」だな。ちなみに「口入屋」ほか二席となっている。予想では、「不動坊」と… 「質屋蔵」かな?まあ聴いてのお楽しみですな。