「根の国へ」という本は、副題に「秀三の奄美語り」とあるとおり、秀三さんが飲みながら語る話をまとめたものだ。秀三さんの話は、ウソはないが、面白くするための誇張や脚色が舞台装置としてふんだんに施されているらしい。
- 作者: 清眞人
- 出版社/メーカー: 海風社
- 発売日: 2008/10
- メディア: 単行本
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昔、奄美が薩摩藩の侵略を受けた際に、書かれたものはすべて廃棄され、失われた。だから奄美の文化は、基本的に口承の文化なのだそうだ。秀三さんをはじめとする奄美ゆかりの人々によって語られるエピソードは、その語り口も含めて何ともいえない味わいがある。以前読んだ「サウスバウンド」にも出てきた伝説の人、マジアニさんに関する話も面白い。
奄美大島、いずれ行ってみなければ。