野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

まさにコンプリート

「CODE COMPLETE」の上巻を読み終わった。

Code Complete第2版〈上〉―完全なプログラミングを目指して

Code Complete第2版〈上〉―完全なプログラミングを目指して


間違いなく、名著であると言って差し支えないだろう。上巻だけで6,000円を超える法外な価格もこれなら納得が行く。タイトルに「CODE」とあるからコーディングのことばかりかというとそうでもない。コーディング・デバッグを中心にして、計画から設計、テストなどの一部も含めたアクティビティを「ソフトウェア・コンストラクション」と呼び、本書で扱う議論の対象としている。とはいうもののやはり、相当な部分をいわゆるコーディングにかかわる部分に費やしている。それもかなり徹底的にだ。「変数」というテーマだけで、名前の付け方、データ型、初期化のしかた、スコープなどなどの考察で100ページを超えるのだ。言語にしてもC/C++JavaはもちろんVisual Basicや果てはFORTRANやAdaまで、それぞれに固有の事情なども考慮しつつ、何が危険か、ベストな方法は何か、について議論が展開される。goto文を使っても良いか、というネタだけでも一読に値する。
決してソフトウェアの初学者向けではないが、現役のエンジニアであれ管理者であれ、プロフェッショナルならば一度は通読し、手許に置いて折に触れ参照する、という使いかたをするべき本ではないだろうか。
でもやっぱり高いから、下巻を買うのは来月にする。