野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

底が抜けてるらしい

「日本の難点」という本が、書店で平積みにされていてずっと気になっていた。著者の宮台真司という人は、現代日本を代表する論客らしいが、うむ、確かにどこかで名前は聞いたことあるような気がするな。

日本の難点 (幻冬舎新書)

日本の難点 (幻冬舎新書)


コミュニケーション論、メディア論、若者論、教育論、幸福論、米国論、日本論、と内容は実に多岐にわたる。というかこういう様々な問題を包括的に、高い抽象度で論じよう、という意欲的な試みらしい。個別の内容は、(お題にもよるが)やはり難解で、隅々まで理解するのはいささかしんどい。それでも、著者いわく「これ以上あり得ないというほど、噛み砕いて書かれ」ているのだそうで、難解な部分については、記述が難解なのではなく、事柄が難解なのだ、と。まあ確かにそうかもしれんな。テーマは色々だが、あちこちで繰り返し出てくるのは「社会の包摂性の消失」とか「再帰性」とか言ったキーワード。つくづく、昔はあらゆることはシンプルだったんだなあ、と思った。
ちなみにAmazonのレビューでは、賛否両論、かなり評価がバラケている。個人的には、「結構イイんでないの」と思っている。星4.5というところか。確かにちょっとクセはあると思うけど、ネガティブなレビューに書かれているほど、わかりにくくはない。
それにしてもあのレビューの多さ、何だかんだ言ってやっぱり色んな人が注目してるっちゅうことよね。