先日のAgile Japan 2010では、野中郁次郎先生が基調講演をされたとか。野中先生については、「知識創造」とか「暗黙知のナントカ」みたいなキーワードでなんとなくお名前を聞いたことがある程度、だったのだが「Scrumの祖父」と呼ばれているとは知らなかった。こりゃいかん、何か著書を読んでみなければ、ということで文庫になっていて手をつけやすそうな「イノベーションの作法」を読んでみたわけですよ。
イノベーションの作法(日経ビジネス人文庫) (日経ビジネス人文庫 ブルー の 1-3)
- 作者: 野中郁次郎,勝見明
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2009/12/02
- メディア: 文庫
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いいねえ、この本は。色んな「イノベーション」の事例が満載なので、まず単純に「プロジェクトX」的に楽しめる。それだけでも良いけど、さらにそれぞれの事例を分析することで、「イノベータに求められる能力と条件とは何か」を浮き彫りにするというのがまた面白い。いわく、「清濁あわせのむ政治力やマキアヴェリズムも駆使する」、「人々を共感させる文脈をつくり、共有する」、「ミクロとマクロを往還しながら知と知を縦横に結びつける」、等々。論理的に分析ばっかりしていてもアカン、と。「分析マヒ症候群」に陥らず、「知的体育会系」になりなさい。
そういや、はてなの事例も取り上げられていたな。自らの「生き方」を確立せよ。「自らの生き方を持たない人間にイノベーションは起こせない」。うーむ厳しい。でも確かにそうかも知れません。
Agile Japan、ちょっとぐらい無理してでも行っといたらよかったかなあ…
まあいいや、今さら言っても詮無いこと。他にも色々あるから片っ端から読んでみよう。