野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

元気の出る一冊

先日のAgile Japan 2010では、野中郁次郎先生が基調講演をされたとか。野中先生については、「知識創造」とか「暗黙知のナントカ」みたいなキーワードでなんとなくお名前を聞いたことがある程度、だったのだが「Scrumの祖父」と呼ばれているとは知らなかった。こりゃいかん、何か著書を読んでみなければ、ということで文庫になっていて手をつけやすそうな「イノベーションの作法」を読んでみたわけですよ。


いいねえ、この本は。色んな「イノベーション」の事例が満載なので、まず単純に「プロジェクトX」的に楽しめる。それだけでも良いけど、さらにそれぞれの事例を分析することで、「イノベータに求められる能力と条件とは何か」を浮き彫りにするというのがまた面白い。いわく、「清濁あわせのむ政治力やマキアヴェリズムも駆使する」、「人々を共感させる文脈をつくり、共有する」、「ミクロとマクロを往還しながら知と知を縦横に結びつける」、等々。論理的に分析ばっかりしていてもアカン、と。「分析マヒ症候群」に陥らず、「知的体育会系」になりなさい。
そういや、はてなの事例も取り上げられていたな。自らの「生き方」を確立せよ。「自らの生き方を持たない人間にイノベーションは起こせない」。うーむ厳しい。でも確かにそうかも知れません。
Agile Japan、ちょっとぐらい無理してでも行っといたらよかったかなあ…
まあいいや、今さら言っても詮無いこと。他にも色々あるから片っ端から読んでみよう。