野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

A salute to Claude Levi-Strauss

先日STACIAクーポンで購入した「野生の思考」。えー、レヴィ=ストロースではなくて菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラールのほう。飽きもせずヘビーローテーションしている。

野生の思考

野生の思考


先々週の京都KBSホールでのライブに行った感想で「熱病のようなポリリズム」と書いたが、CDのライナーノーツによれば、このアルバムの第1のテーマは「ポスト・コロニアリズム」、そして第2がなんとそのまま「熱病」だった。なるほどそういうことだったか。
ペペは最初に「南米のエリザベス・テイラー」(これは「菊地成孔」名義だが)や「New York Hell Sonic Ballet」などを聴いて、それらの楽曲群の中の小さくない部分を占める、なんだか現代音楽のような雅楽のできそこないのような曲については、「何じゃこら」という感じでどうも手放しに「イイ!」とは感じられなかったのだが。実際に彼らのステージを観たとき初めて、「これはこんな曲なのだ」というのが何となくわかった。うまく言えないがそんな気がする。あれ以来、その手の曲をはさんでも退屈せず、塊として一気に聴く感じになった。特に前半の組曲「キャバレー・タンガフリーク」は圧巻だ。
トータルで1時間ほどのアルバムを、わざわざ2枚組にしているといううのも、何か意味(意図)があるのかもしれない。1枚目が「キャバレー・タンガフリーク」、2枚目が「ヴィオラトリコロール」という二つの組曲を中心にそれぞれ構成される。実はそれぞれ別に聴くべきなのかも知れない、と思いながらも一気に聴いてしまう今日この頃だ。