日々、阪急京都線を使って通勤している身として、新聞の書評や広告で見かけた「阪急電車」なる小説は気になっていた。これが今回めでたく文庫化の運びとなり、本日ジュンク堂書店にて購入してきて、んであっと言う間に読み終えてしまったというわけだ。
- 作者: 有川浩
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2010/08/05
- メディア: 文庫
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取り上げているのが神戸線でも京都線でもなくマイナーな今津線というのがまた絶妙である。宝塚駅からスタートして、西宮北口まで。そして、折り返してまた宝塚までの各駅にからめていろいろな物語が繰り広げられる。そしてそれぞれの物語の登場人物は少しづつ絡んでいて、言ってみれば連作小説の体裁になっている。これらの物語はみんななんともキュートな「ちょっとええ話」でまとめられており、主役たちはディセンシーを大事にし、その行動原理は彼ら/彼女らのささやかだけれども確固とした正義に基づいている。読んでて楽しいし、気分の良い話なんである。ロクでもないニュースの多い昨今、たまにはこんな本を読んでみるのもええんではないかと思う。