ツイッターには、それはもうありとあらゆる種類の言葉が溢れ返っているわけだが、どうやらその中に「名言」というジャンルがあるようだ。壱部のユーザなどは、とにかく「名言」ばかりをつぶやき続けるわけだ。どういう事情があってかしらないが、なぜかわたくしのフォロワーになったユーザがいて、ふうん?と思いながらこちらもフォローしてみたら、これがその「名言」ユーザの一人だった。とにかく、来る日も来る日も飽くこと無く「名言」をつぶやき続ける。ただしネタは500だか600ぐらいしか持ってない(しか?)らしい。それをつぶやきつくしたらどうするのかというと、また最初にもどって同じ内容をつぶやくのだ。
世の中には、この「名言」により元気が出たり勇気づけられたり希望を持てたりする人も少なくないのだろう、きっと。
だけどわたくしは、日々流し込まれるそれらの「名言」を読んでいるうちになんだか気が滅入ってきたので、そのユーザのフォローを解除してしまった。ごめんね。
そんな、人々を奮い立たせるような立派な「名言」ではないけれども、この世界がちょっとだけ、今まで思っていたよりも2割ぐらいは素敵なところかも、という気にさせてくれるような「名言」だってある。そんなユルめの「名言」がてんこもりなのが、ほむらさんの「絶叫委員会」だ。
- 作者: 穂村弘
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
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ほら、このタイトルからしてもう、ね。
もちろんそんな面白いばっかりではなくて、背筋の凍るような、あるいは底の知れない不安にたたき落とされるような「名言」だってある。だけどやっぱり、あたしはこっちのほうが好きだし、何だか「これなら信用してもいいかな」っていう気がする。何を信用するのかよくわからないけど。
「世界が歪むとき」より。
タレントのウガンダが亡くなった翌日のこと、電車のなかでカップルのこんな会話を耳にした。
男「ウガンダが死んだらしいよ」
女「嘘!」
男「ほんと」
女「全員?」
男「全員?」
女「・・・・・・」
男「・・・・・・」
女「もしかして、ウガンダってひとりだったの?」
男「え、ひとり、だよ。大きいけど」
女「・・・・・・」
男「何だと思ってたの?」
女「グループ」
わかる気がする。人の名前らしくないから。まあ、もともと国名だけど。
外で読んでて、笑いをこらえるのにかなり苦労したよ。なんでそんなあちこちで、おもしろい話に出くわすんだよほむらさん。うらやましすぎるよ。