野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

違いがわかる男の

遠藤周作さんの本を読んだのは中学から高校にかけてぐらいだったかと思う。小説を数冊、「海と毒薬」とか「白い人・黄色い人」とかあのあたり。それらについては「ふーん」というぐらいの感想で、当時面白かったのはやはり「狐狸庵先生」のシリーズだ。まあ中坊だから仕方ないわな。
「神と私」というのは、狐狸庵先生ではなく真面目な小説家・遠藤周作のキリスト教、神についての思索を色んな本から取り出してきたアンソロジーみたいな本だ。

神と私 人生の真実を求めて (朝日文庫)

神と私 人生の真実を求めて (朝日文庫)


恥ずかしながら、この人がこんなにたくさんの(真面目な)エッセイを書いていたとは知らなかった。ほとんど、ふざけた内容の本しか読んでなかったからなー。いやもちろん小説も読んでるわけだから、そんなんばっかりではないというのは知ってはいたのだけど。
でも、ああいうふざけたことばっかり書いてる人が、キリスト教について、神について、信仰について考えた、というと、なんだかすごく信用できる感じがするな。で西洋の宗教は父性が、東洋では母性が勝っている(いずれも両方の要素を持っているのだけど)という考察は、なるほどという感じ。
こんど実家に帰った時にでも、もう一度「海と毒薬」あたりから読んでみよう。