野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

ポスター天国と借金地獄

天保山のサントリーミュージアムで開催中の「ポスター天国」展へ行ってきた。今年一杯で休館(事実上の閉館)してしまうサントリーミュージアムの、最後の展覧会だ。
国内、海外あわせて400点ものポスターが展示され、かなーり見応えあり。ロートレックミュシャウォーホール、ロックウェルといった有名どころも散りばめながら、第1部は「名作で辿るポスターの魅力と変遷」、そして第2部が「ポスターを支える3つの要素 ー 絵、写真、文字」ということでそれぞれの要素にフォーカスした作品を多数展示。いやほんと、ポスターっていうのもその時々の時代背景を反映してますなあ。
ときどきマティスとかミロが描いたポスターがあっておっ、と思ったり、「ウィーン分離派展」のポスターをクリムトが自分で描いててへえええと驚いたり。あのポーランド製の、紫色のジミ・ヘンドリックスはいったい何だったんだろう。
そして2階の入り口には、過去に開催された展覧会のチラシをどばーっと一気に展示している。あーそういやあれとこれ観に来たよなーとか思いながら眺めていた。過去にサントリーミュージアムで観た展覧会を調べてみると、これぐらいあった。

  • 愛の旅人 シャガール展 2006年4月29日(土)〜6月25日(日)
  • 生誕100年記念 ダリ展 創造する多面体 2007年3月8日(木)〜2007年5月6日(日)
  • ロートレック展 パリ、美しき時代を生きて 2007年9月11日(火)〜11月4日(日)
  • ガレとジャポニズム 2008年5月22日(木)〜7月13日(日)
  • クリムト、シーレ ウィーン世紀末展 2009年10月24日(土)〜12月23日(水)
  • 印象派とモダンアート 2010年7月10日(土)〜9月20日(月・祝)

なんだかんだで年に一回ぐらいは来てたのな。そういや「井上雄彦 最後のマンガ展」を逃したのは痛かったな。
このギャラリーはロケーションも良くて、中の造りや雰囲気も好きだったから、休館してしまうっていうのがとても残念だ。「入館者の伸び悩みなどを理由に」とのことだが、実際のところそんな無闇にたくさんの人がこないからこそ、のんびりと展示を観ることができて、それがまた魅力だったのだけど。採算ということを考えると、なかなか難しいんですなあ。
まーとにかく、長い間ありがとう、サントリー。せめてものお礼に、しばらくの間ビールはできるだけモルツを飲むようにするよ。