野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

うなぎのお茶漬けリローデッド

夏休みの間に一回ぐらいは落語を聴きにいきたいなと思っていた。繁昌亭で良さそうな落語会があったので行ってみた。「ときどきがんばる 桂春雨の会」というやつだ。桂春雨さんはきいたことないが歌之助さんが出てるのと、なんとなく春雨さんも面白そうだなと思ったので。
内容としては

  • 笑福亭呂竹 延陽伯
  • 桂春雨 軒付け
  • 笑福亭鶴二 猫の災難
  • 桂歌之助 阿弥陀
  • 桂春雨 菊江仏壇

というラインアップ。
春雨さん、噺もさることながら御本人のキャラクタが面白い。「ダメな人」系だな。やたら「虚弱体質ですので」てなことを言い、「最後まで体力もたへんかもしれんから、あんまり声張らんでもええようにマイクの音量大きしとって」とか言ってみたり。あんまり自分ではあれこれきっちりはできないけど、けっこう周りの人が世話を焼いてくれて、結局はなんとなく辻褄があってそれなりにうまく行く、とそんな感じの人じゃないかと思う。後の笑福亭鶴二さんのマクラによれば、奥さんはカルビーの社長令嬢で、上方落語界初の逆玉だとか。ほらね。
「菊江仏壇」をやる前には、このネタは長い、辛気臭い、おもろない、と三重苦の噺です、とカマしておく。でもその三重苦ネタに独自の工夫を加え、それなりに面白く、でもシブくまとめてるっていうのはさすが。なかなか食えないおじさんだな、と思った。
偶然にもこの日は「猫の災難」と「菊江仏壇」、酔っ払いがクダを巻くネタが揃った。特に鶴二さんの「猫の災難」、時間を追うごとに酔い加減がどんどんエスカレートしていく様がとてもリアルに演じられていてこれまた面白い。上手いもんですなぁ。
そして歌之助さんの「阿弥陀池」、ちょっと気の利いたやつがうまいことやったのを、ちょっと抜けたやつが真似しようとしてスカタンなことになる、といういわば古典落語の基本的な話型であるが、どうもこの人にかかるとなんでこんなに面白いかね。
人間の営みというものはどうにも愚かしく、でも愛すべきものだということを古典落語は教えてくれますな。
さて落語会が終わったのは午後9時をまわっていたのだが、そっから晩飯でも食べにいくか、と天満まで足を延ばしてみた。小田原で揚げたてのかまぼこが食べられなかったリヴェンジとして、「八尾蒲鉾」に行こうとしたんである。が、満席であえなく撃沈。うーむそれでは、と中華の「双龍居」に行ったがこちらも満席。うくく。こいつあ参った、と他をあたろうとすると、中華系の赤い看板が目に入った。「飲茶居酒屋」ということで「上海食亭」へ行った。ふーんチェーン店かぁ、と思ったが実は結構イケる。小籠包うまし!当然ながら麻婆豆腐も食べた。丸美屋系で花山椒が効いてて美味い。そして焼き飯が、わりとあっさりした味付けで、だけどエビ風味っぽい独特のフレーバーが利いててシメに食べるのに良い感じ。お腹いっぱいになりました。他にも色々と良さそうなメニューがあったのだけど、二人だとこれ以上は厳しい。やっぱり中華は4人ぐらいで行きたいですな。
という感じで本日もご機嫌さん、でした。