「大聖堂」の中巻を読み終わった。物語はいよいよ佳境である。
- 作者: ケン・フォレット,矢野浩三郎
- 出版社/メーカー: ソフトバンク クリエイティブ
- 発売日: 2005/12/17
- メディア: 文庫
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考えてみたら、高貴な生まれの姉弟が没落して過酷な運命に翻弄され、しかしそこから奇跡的に復活する、とか才能にあふれた若者が優れた師匠のもとでその職人技を極めていく、とかダメダメな修道院にある日やってきた修道院長がその指導力を大いに発揮し、改革によって教区ごと繁栄させていく、とか王国の内乱と教会組織内の権力闘争、とか。まあどれもこれもどっかで聞いたことのあるようなお話ばかり。なのだけど、それらを破綻しないようにうまく絡み合わせ、どんどん物語をドライブしていく、ということになると、実はこんな小説あんまりないかもしれませんな。
劉備玄徳や諸葛亮孔明が死んでも三國志は終わらないし、アウレリャノ・ブエンディア大佐がいなくても百年の孤独は続いていく。馬に蹴られてトム親方はあっけなくナニしたが、物語はいよいよこれから、という感じで下巻へなだれ込むんである。