野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

そもそも何がエスプリやねんと

NU茶屋町でもらった千円分のクーポン、10月末が有効期限になっている。
忘れないうちに使ってしまわなければ、ということで日曜日にタワーレコードへ行ってきた。ええ、乗せられてますよ、わかってますけどね。
お買い得になっているグールドのバッハ5枚組とどっちにしようかとずいぶん悩んだ末に、フランソワの3枚組を買うことにした。
なんぼ安いからって、そうそうグールドのバッハばっかりもうええやんけ、という気分があったし、なんといってもフランソワの方はショパン、ドビュッシーラヴェルとわたくしのお好み三点セットなわけで。それで1,690円だからこれはお買い得というものだ。ちなみに、世間では結構「フランス印象派」とかいうようなくくりで、すぐにドビュッシーラヴェルをカップリングしたがる向きがあり、その安直さがどうも気に入らないのだ。そういうのに限って「フランスのエスプリが薫る」とかなんとかよくわからんコピーをつけていたりして、どうにも我慢ならなかったりするのだが、今回はまあ見のがしてやるよ。

Chopin Debussy & Ravel

Chopin Debussy & Ravel


フランソワはやっぱりラヴェルが良い。彼の弾くショパンとドビュッシーは初めて聴くのだけど、なんかちょっと微妙。なんで「月の光」をそんな仰々しい弾き方をするのだ。モニク・アースみたいにもうちょっと上品に弾けないのか。どうして「幻想即興曲」をそんなに慌てて弾く。かと思ったら途中は妙なタメを入れてみたりするし。こりゃキザったらしいアシュケナージの方が良いよ。
などなどボロカスに言ってしまったが、うむ、まあ慣れてしまえばこれも味があると言えなくもない。
でもやっぱりラヴェルだ。これがあのけったいなショパンやドビュッシーを弾いていたのと同一人物か?これなら「エスプリが薫る」と言っても良いかもしれない。よぉ知らんけど。