野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

いきなりはじまったぞ

ウチダ先生のウェブサイト「内田樹の研究室」(http://blog.tatsuru.com/)には、「インターネット持仏堂」というのがあったらしい。いまはそれらしいものは見当たらないので、おそらくどっか行ってしまったんだと思うけど。
その持仏堂の開設にあたり招聘されたのが、怪僧・釈徹宗先生であり、釈先生の法話というかウチダ先生との往復書簡みたいな体裁だが、それが「いきなりはじめる浄土真宗」として本になっているのだな。


入門書っぽいタイトルだが、ウチダ先生に言わせれば「浄土真宗について何も知らない人間が、ゼロから始めて刻苦勉励を重ねて、ついに仏道の何であるかを自得するに至るビルドゥングスのプロセスそのものをリアルタイムで逐一報告しようという、どこかのTVの番組みたいな大胆なドキュメンタリー企画」なのだそうだ。
たしかに仏文学者ウチダ先生は「浄土真宗について何も知らない人間」だったのかも知れない。しかしながら、ウチダ先生の長年のレヴィナス研究、および武術の稽古により得られた知見というのは、どうやら非常に仏教的なものの本質を掴んでいるらしい(よう知らんけど)、というふうに読めた。すごいっすね。
やはり「頭の良い人」というのは、かけ離れたものどうしの間に同型性を見いだすことができるもんなのだなあ。南無阿弥陀仏。