野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

残念な俺様と残念な映画

目が覚めたらもう昼前で、それからだらだら過ごしておまけに夕方にもまた昼寝をしてしまうという体たらく。かなりダメな感じだ。
ほぼ一日ダメな感じだったので、昨年テレビでやっていて録画したまま放置していた「ノルウェイの森」を観ることにした。
気に入った小説が映画化されると、大抵の場合その出来は良くない。いや、映画としては悪くない場合もあるのかもしれないけど、原作を読んで自分が描いたイメージとは異なるのが普通だし、一般的な長編小説は、映画の2時間〜3時間というフォーマットに収めるには長すぎる。だからどこかをばっさり、あるいは少しずつ切り落とすことになり、その結果は多くの場合、原作の魅力を致命的に損なってしまうことになる。これは映画の宿命と言ってもよく、ほぼ避けられないことなんじゃないかと思う。誰が悪いわけでもない。しいて言えば映画を観る前に原作を読んでしまった自分が悪いのだ。
映画版の「ノルウェイの森」、配役は悪くないんじゃないかと思った。直子も緑もレイコさんも、結構しっくり来る。永沢さんもあんなもんだろう。しかしワタナベ…
いやあれは配役の問題ではないのかもしれない。
「孤独が好きな人間なんていないさ。無理に友達を作らないだけだよ。そんなことしたってがっかりするだけだもの」
どうしてあのセリフが、映画のワタナベの口から出るとあんなにアホみたいなんだろう。村上春樹原作の映画なんて、そもそも原理的に成り立たないんじゃないかという気もする。いったいどういう原理なのか知らないけど。

サントラはなかなか良かった。CANが使われているとは。うちにあるLP盤を何とかして聴けないだろうか。