野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

いまどきの若いモンは…

先日どっさり本を買ってきたときに、勢いに乗って「ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪」なんて本まで買ってみた。

ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪 (文春新書)

ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪 (文春新書)


ブラック企業に就職した結果、心身の健康を破壊されてしまった若者たちのケースが次から次へと紹介される。なんとも凄惨で、まことに気の滅入る話ばかりである。今や、これらブラック企業が大量の若者を採用し、安価で使い勝手の良い労働力として蕩尽するやり方というのは、まことにシステマティックであり、高度に洗練されたひとつの技術=アート、とさえ言える。確信犯的に、若者たちの精神を破壊し、使い捨てているのだ。
ブラック企業といえば、だいたい中小企業かと思っていると意外とそうでもない。もちろん中小企業でもブラック企業はある。でも、中小企業の場合は、いろんな事情からやむなくブラック企業化してしまう場合が多いと思うのだが、大手の場合はむしろ戦略的に、そのような労務管理手法を採用しているようだ。この本で紹介される大手衣料販売会社のY社とか。このY社ってどう見てもアレだよな、ほら、あの会社だよ。えげつないことするなあ、と思うが、一方では、まあそれぐらいやってそうでもあるわなぁ、とも思う。あの社長、なんだか色々と本を書いたりもしてるよな。あたしはどうもなんだか虫が好かなくて読む気にならなかったのだけど、ちょっと興味が沸いてきた。
それにしてもねえ、俺様が就職したのはバブル崩壊寸前の1991年、その後もわりと気楽に過ごしてきたので、こういうのを読むと、今の若い人たちに対して、もう何だか申し訳ない気持ちで一杯になるのですよ。