野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

ドジでのろまな亀ですか

バスガイドさんのお世話になったのはいつのことだろう。ひょっとして小学校の修学旅行ぐらいじゃないだろうか。それ以来、いわゆる観光バスみたいなものにも乗ったことがないし。

ある日、アヒルバス (実業之日本社文庫)

ある日、アヒルバス (実業之日本社文庫)


「ある日、アヒルバス」っていう小説はもちろんフィクションなのだけど、物語の中で行われている各種のトレーニング、お辞儀のしかた、歩き方、発声法、その他諸々、っていうのは実際にやられていることなんだろうな。もちろん、「必勝」の鉢巻をした先輩社員にピコピコハンマーでしばかれながら、なんてことはないんだろうけど。それにあのガイド、全部暗記してるわけだから、やはり何事においてもプロフェッショナルというのは、なかなか大したものなのですよ。
主人公のデコこと高松秀子は、国語の授業での朗読がちょっとうまかった(だから進路指導の先生にバスガイドにでもなったら、と勧められた)ぐらいで他に大した取り柄はなく、でも「三原先輩」と「鋼鉄母さん」の指導を受けながら一人前になって行く、そんな女の子だ。そこに5人の新人バスガイドが入ってきて、彼女らの教育係をデコが仰せつかるのだけど、この新人たちというのがまた揃いも揃って使えない連中ばかりで… とまあそんな話だ。ちなみにデコの同期で一人だけ残っている亜紀というのが、教育係として途中からさらに投入されるわけだが、「必勝」の鉢巻をしてピコピコハンマーで新人たちをしばくというのは彼女のことだ。この様子がかなり面白い。そしてこのロクでもない新人たちも、特訓の甲斐あって、だんだんとそれなりにサマになってくる。なんだかこんな映画だかドラマだかをどっかで観たような気もするけど。
一度くらい、はとバスツアーに参加してみても良いかな、という気になりましたです。