野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

1% vs 99%

衝撃の「貧困大国」シリーズ、ついに完結編の「(株)貧困大国アメリカ」までたどり着いた。


例によって暗澹たる気分になるような話ばかりだが、まずは「食」がらみの話から。いまやアメリカでは、まともな(安全な)食べ物というのはごく一部の富裕層、あるいは知識層しか手に入れることができないんじゃないか。次々に遺伝子組み換え(GM)で作られる新種の作物は強烈な農薬と使っているし、家畜は劣悪な環境で育てられてクスリ漬けだし。その辺の規制はどうなっとるんだ、というと、もちろんそういう法律はあるのだけど、そんなもん関連業界の大企業によってたかって骨抜きにされている。抜け道をいっぱい作って、できるだけ効率よく金もうけができるようになっているわけだな。安全安心なオーガニック食品なんかも実は、認証を取るためにはとてつもなく大量の書類を用意しなければならないようになっていて、とてもじゃないが零細の農家なんかでは取得できないようになっていたりする。いろんなシステムがとにかく大企業にとって都合の良いように設計されているわけですな。そして彼らはアメリカ国内では飽き足らず(というかアメリカ国内はしゃぶり尽くした?)、今度はイラクとかメキシコとかハイチなんかに手を伸ばそうとしている。
アメリカという国は、寄生したグローバル企業に食い荒らされてすでに中身はスカスカのようだ。人々は疲弊し、政府とマスコミはカネで買われて好きなように操られている。でもどうやらこれは他人事ではなさそうだ。スカスカになった宿主アメリカ合衆国を捨てて、寄生虫たちはいったいどこに取り付くのか。
「世界一、企業が活動しやすい国をつくる」だって?勘弁してくれよ。
ちょっとばかし為替が円安に振れたとか株価が上がったとかいって浮かれてる場合じゃないぞ。いったいアメリカでいま何が起こっているのか、我々はちゃんと知る必要があるんじゃないか。本当に。