ビッグデータの活用法

大人気の東野圭吾、実は今までまったく読んだことがなかった。特段の理由があってのことではないが、なんとなく手が出なかっただけのこと。今回さるお方が「プラチナデータ」を貸してくださったので読んでみたのだが、いやーこれは面白いですなあ。

プラチナデータ (幻冬舎文庫)

まさに昨今なにかと話題になる、ビッグデータやらデータマイニングとプライバシーにかかわる問題、というのがひとつのテーマだが、これをうまいことエンタテインメントに仕立てていて。猟奇的な連続殺人から始まるハードな警察小説、みたいな側面もあれば、ちょっとサイコパス的な神楽くんの妄想から生まれたスズランなんて女の子が出てくるあたりは妙にメルヘンっぽかったり。最新の科学技術を駆使したDNAプロファイリングによる捜査に反発して、勘と経験を大事にして古いやり方にこだわる昔気質の刑事、なんてのはもうこの手の小説やら映画やらでは王道ですわな。こういうあれこれをぶち込んでも、まったく破綻することなく、また陳腐にもならず。大したもんですな。映画にもなっていたから、またWOWOWに登場したら見てみよう。「ガリレオ」シリーズも読んどくか。