野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

ラングドンよくがんばった

「天使と悪魔」下巻。読み終わった。

天使と悪魔 (下) (角川文庫)

天使と悪魔 (下) (角川文庫)

んーまあ何というか、「こいつ実はけっこう怪しいで」と思ってたアイツが、やっぱり怪しかった。そうだろコイツだろ、てね。
でもまあ、実は「そういうこと」じゃないかなとは思いながらも、それを成り立たせる説明についてはそう簡単には思いつかず、ネタを明かされてみると、ほほうなるほどね、と感心するわけである。
実にハリウッド映画的で、ノンストップのアクションとサスペンスまみれなエンタテインメント大作、であるが実は「科学と宗教」というこのテーマはなかなか重い。そして暴走する正義はやはり危うい。科学であれ宗教であれそこに狂信的なまでにコミットするものがもたらす災厄、という点は「ダ・ヴィンチ・コード」に通じるものがある。
ところで、終盤の、テレビを通じて世界に語りかけるカメルレンゴの演説は圧巻で、「カラマーゾフの兄弟」の「大審問官」を彷彿とさせる。あ、そうかこれもまた父親殺し。