野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

ヴィルトゥオーゾも形無しですよ

来月チューリヒ・トーンハレ管弦楽団のコンサートを聴きに行く予定にしている
演目は、ベートーベンのヴァイオリン協奏曲にブラームス交響曲1番。ブラームスはこの前CDを買って、ときどき聴いている。ベートーベンも聴いておかなければ。
だけど巷に溢れかえるベートーベンのヴァイオリン協奏曲のうち、いったいどれを聴けば良いのだろう。
とりあえず、クレーメルが演奏しているものは外すとして…
「ベートーベン ヴァイオリン協奏曲」で検索すれば、さまざまな演奏家によるCDを聴き比べ、名盤を紹介してくれている熱いマニアの方々のブログなどがヒットする。今回は「ハルくんの音楽日記」というのを参考にさせていただいた。
http://harucla.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/op61-82ae.html
この曲に必要なのは、技巧だけではなく厳しい精神だという。その点で、名人と言われるハイフェッツは、「とにかく音の一つ一つの存在感が他の奏者とは次元の違う上手さ」だが、「だからどうした?」。世間での評判が高いオイストラフも、「余りに楽天的で厳しさに欠けている気がする」ため、「極端に言えば、単にヴァイオリンが上手に音符をなぞっているだけ」で、「ちっとも立派に聞こえない」とばっさり。いやー辛口ですなぁ。
そんな中でも比較的評価が高かったもののうち、シュナイダーハンとヨッフム指揮ベルリン・フィルのものが手頃なお値段だったのでこいつを買ってみた。

ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲、モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番「トルコ風」

ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲、モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番「トルコ風」

このCDにはモーツァルトのヴァイオリン協奏曲もカップリングされているのだが、前半のベートーベン、後半のモーツァルトで面白いほどにテイストがくっきり分かれる。ベートーベンはとにかく重厚。モーツァルトはなんだかぱーっとしたお気楽な感じ。上記のブログの方の表現を借りれば「柔らかくウィーン風」ということだが。なるほどシュナイダーはんはそういう風に弾き分けてはるんどすな。
さてクレーメル師匠はどのような感じで?