野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

驚きを秘めて?

昨年リニューアルしたばかりのフェスティバルホールに、チューリヒ・トーンハレ管弦楽団のコンサートを観に行った。
デヴィッド・ジンマン指揮で、演目はベートーベンのヴァイオリン協奏曲とブラームス交響曲1番。ヴァイオリンのソロイストは当代最高と言われるギドン・クレーメル、なんていう煽り文句に釣られて、チケットの高価さに怯みながらも、ま、ここはひとつ、と。今までちゃんとしたクラシックコンサートって行ったことなかったのでね。
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新聞の紹介記事によれば、クレーメルは「何をするかわからない人」なのだそうだ。ステージに登場した時、上着なしでシャツも裾を出したままといういでたちで、着替えの途中ですか?という感じだったのだが、あれは何かの演出だったのだろうか。
さてベートーベンのバイオリン協奏曲。事前に聴いたのは、ヨッフム指揮のベルリン・フィルにシュナイダーハン、というなかなか重厚なやつだが、今回の演奏がまたずいぶんテイストが違っていて、けっこう軽快、でも品は失わないという感じ。そしてカデンツァは、途中から全く違う内容で、ずいぶんお茶目な演奏だ。クレーメル師匠の音は、なぜだか後半からだんだんと繊細になってくる。なんか不思議。
そしていったん引っ込んで再び登場し、アンコールはペレシスの「ヴィオラのための24のカプリス」より第5番。ってそんなん初めて聴きましたけど。
さて休憩をはさんで第二部は、トーンハレのメンバーがさらに登場し、ブラームスの1番。いや、これがですな、実にすごい。そりゃクレーメル師匠も結構だったけど、こっちのブラームスはもう圧巻、だった。参りました。
アンコールはこれまたブラームスハンガリー舞曲の1番。こちらもスリリングで迫力あり。ブラームス得意なんですかね。
という感じで、意外と小柄なマエストロ・デヴィッド・ジンマン、すごかったざんす。やっぱり音で聴くだけでなくて、大人数が楽器を弾いていてそれがばしっと揃っている、っていうヴィジュアルが一緒にあると、これはまた何とも言えず気持ちええもんですなあ。
ちょっとばかし悩んだけれども、大枚はたいて行ってみて良かった。
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ちなみに来月は同じ場所でキース・ジャレット。ぶふふ。