野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

東vsアントン

以前「ジウ」を読んで、それから「歌舞伎町セブン」を読んでみたら、なんだか東警部補のキャラが変わってないか、と思った。この2作の間に何があったのかを知るために、「国境事変」を読んでみたわけだ。

国境事変 (中公文庫)

国境事変 (中公文庫)

なんと、これもまた先日読んだ「血の轍」と同じく公安ものだった。こちらはタイトルどおり外事3課の、北朝鮮関連の事案だけど。どうも、公安警察と刑事警察の確執というのは、こうやってあちこちでネタにされるくらいに、なかなか根深いもんなんですな。
公安が監視対象の内部に協力者を作るやり方、というのがわりと具体的に細かく書かれていて、参考になる。いや、参考にしてどうするんだ、て話だけど。
登場人物の一人である金英男は、バンドをやっている。このあたりの記述はけっこう誉田氏の趣味が出てるな、と思った。それにしても東警部補は、おっさんのくせしてジミヘンも知らんとは、なかなかの朴念仁ですな。