最近どうも「知のナントカ」という本が目に付く。
たぶん最初が「知の逆転」から始まって「知の最先端」、「知の武装」ときて、「知の英断」だ。「知の」ってつければうっかりそれに釣られて買うとでも思ってるのかよまったくもう安直だぜ、などと思いながらも結局手を出してしまった。
- 作者: ジミー・カーター,フェルナンド・カルドーゾ,グロ・ハーレム・ブルントラント,メアリー・ロビンソン,マルッティ・アハティサーリ,リチャード・ブランソン,吉成真由美
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2014/04/09
- メディア: 新書
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「エルダーズ」という人道組織がある(知りませんでした)。カーター元米大統領を始めとして、マンデラ前南アフリカ大統領、アナン前国連事務総長、といった面々がメンバーだ。「エルダーズ」、老人たち、じゃなくて、まあ長老、というところだろう。日本でも、「年寄」といえば江戸時代には「町村の行政にあたった指導的立場の人」だったのだ。これはそんな「エルダーズ」のメンバーたちに対するインタビュー集だ。
いや実に、知性というものの発現の仕方というのはいろいろあるだろうが、まさにこのエルダーズはそのひとつのかたちだなと思う。成熟、とかオープンマインド、とかフェアネスというのは、こういうことだろうな。高潔な人格というのが、現実にあるのだ。なんだか申し訳ない気分になってくる。狡猾さなら自信があるのだけどな。
ということで、ちゃっかり乗せられたけども、まさに期待通りで結構なことである。