たしか朝日新聞の書評欄で見かけた「まぐだら屋のマリア」。文庫になったことだし読んでみなければ、と思っていたのだ。
- 作者: 原田マハ
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2014/02/06
- メディア: 文庫
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ちなみに「まぐだら」というのは、マグロと鱈が合体した伝説の怪魚で、その昔、姫の病気を治すための薬草を求めて尽果にやってきた乳母が崖から転落し水死した後に… などという、いかにもな言い伝えまででっち上げてしまうのがすごい。
尽果というのはある種のアジールみたいなところで、マリアにせよマルコにせよ、なんだかんだと訳ありな人々がやってきては居ついてしまう。誰もそれを詮索はしないけれども、彼らの抱える事情であったり壮絶な過去というのが、物語が進むにつれてわかってきて。
そこで深く感動する、というのが本筋なんだろうけど、個人的には、やはりシモンの作る料理がとにかく美味しそうなのが気になる。適当にその辺にある材料を使って、手際良く美味しそうな料理を作る、ていうのに弱いのですよわたしは。村上春樹の小説なんかでよくある、あの感じ。鮭のタタキなんて食べたことないし。いや、ええ話でございました。