WOWOWのドラマWで「MOZU」シーズン2をやってるからというので、慌てて原作の「百舌」シリーズに手を出し、「百舌の叫ぶ夜」に続けて第2作の「幻の翼」まで読んでみた。
- 作者: 逢坂剛
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2014/03/20
- メディア: 文庫
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このシリーズ、書かれたのは実はけっこう古くて1980年代後半ぐらいから始まっている(「百舌の叫ぶ夜」は久しぶりに阪神タイガースが優勝した年の話だったり)。その割にはあまり古さを感じさせないな、と1作目の「百舌の叫ぶ夜」では思っていたが、今回はどことなく、時代を感じさせる。もっとも、1作目でも、テレビで中森明菜が歌っている、などという記述があり、一瞬えっと思ったが、ああそうだ実は古い話なのだこれは、と納得することもあったわけだが。
それにしてもドラマの内容が、あまりに原作と違いすぎないか。倉木はタバコ吸わない、とか爆死した嫁は公安と違うぞ、とかはもう細かい話で、グラーク・アルファ作戦とかダルマとか、まったく原作にないエピソードが出てくるし、どうやら倉木はアル中にしたて上げられて精神病院にぶち込まれ、ロボトミー手術を施されるのではなく、単に指名手配されるだけみたいだし。暴力団の豊明興業も稜徳会病院も出てこず、かわりにアテナセキュリティなんていう会社が出てくるし、だいたいロシアのスパイのイワン・タイラーって何よ?
まあ、ちょっと似たところのある別の話、としてドラマを観れば良いのだろうけど、あそこまで原作を無視するのも何だかね。
いずれにしても、百舌シリーズ、なかなかのものでございました。まだ続編はあるけど、ちょっと休憩してから。