野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

狸と犬とネズミのはなし

茨木市内の某所にて、定期的に行われる桂吉弥さんの落語会。今回も行ってまいりましたよ。
開口一番は、吉弥さんの二番弟子・桂弥っこ君による「貍の賽」。これって東京では「貍賽」(たぬさい)なのよな。柳家小さんのバージョンをCDで聴いたことがあるな。ちょっとラブリーなアホ話で、けっこう好きだ。
吉弥さんは、「鴻池の犬」と「高津の富」の二席。「鴻池の犬」は初めて聴くけど、面白いねこれ。
そして、「高津の富」! わたくしのフェイバリット噺のひとつだ。しかし枝雀師匠をCDで聴いたことがあるだけで、生で聴くのは初めて。いやーこれは面白い。あのホラ話をするおっさんに、なんであんな「ぐふっ、ぐふっ、ぐふっ」みたいな怪体な笑い方をさせるかな。おもろいやないか。この噺のみどころはやはり、「2等が当たったらこんなことする」と、「まっちゃん」が妄想を炸裂させるところと、当たりくじの発表を見に行くところですわな。「一等が子ぇの千三百六拾五番で、わしの持ってるのが子ぇの千三百六拾五番。なかなか当たらんもんやなぁ」などとさんざんボケ倒した後で、「当たった!」とやっと気づくあのシーン。知ってる人はくすくす笑ってるし、この噺を初めて聴く人たちは、「え、千三百六拾五番て当たりとちゃうの…?」と、なんとも微妙な表情をして聴いている様子がまた、なんとも楽しい。吉弥さんも細部でいろいろと工夫をこらしていて、それがまたなんとも面白く。
次回は11月だそうだが、これが残念なことにわたくしの日程が合わない日に開催の予定、という残念なお知らせ。うーむ、その次は必ず。