野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

たまには鼻唄なしで

iTunesに記録されているデータを見ると、個人的にこの10年ぐらいで(iTunesを使い始めてから)もっとも再生回数の多いアルバムは、グレン・グールドゴルトベルク変奏曲(1981年版)だということがわかる。

まあ収録曲数が多いから、単純に曲の再生回数で見るとやたら多めに出るってのは確かにあるけど、それにしてもよく聴いているアルバムであることは間違いない。1955年版もけっこうよく聴いてるし。

バッハのゴルトベルク変奏曲、グールドではどんなのがあるのだろう、と調べてみると、シフとかケンプとかリヒター、なんてあたりが名盤として挙げられている。でシフが演奏しているバージョンの輸入盤がちょうどタワレコの店頭で安売りされていたので、こいつをちょっと聴いてみることにした。 

 

バッハ:ゴルトベルク変奏曲

バッハ:ゴルトベルク変奏曲

 

 

 いやもうとにかく今までグールドの演奏ばっかり聴いていた(実はキース・ジャレットハープシコードで弾いたやつも聴いてるけど)ので、あれがすっかりスタンダードになってしまっている。だから、シフを聴いても、「あーそこはもうちょっとタメてよ」とか「どこまで引っ張るんやアンタ」とか「何じゃいそのトリルは」とか「おっとっとっと」とか、どうも落ち着かない。いや、これはこれでもちろん良いのだけど。あれ、ゴルトベルクってこんな曲入ってたっけ?と思ってしまうくらいに新鮮に聴こえるところもあったり。第30変奏なんてもう、やけにドラマチックに聴こえてしまったりする。これはこれで面白い。

ただひとつ問題がある。自宅では、iPod Classicに入れてコンポにつないで聴いているのだが、「アルバム」から「Bach: Goldberg Variations」を選んで再生すると、キース・ジャレットのバージョンと一曲ずつ交互に再生されてしまう。どちらも同じタイトルを付けてしまったからだろう。「アーティスト」から「Andras Schiff」を選べば大丈夫だが。これ、iPodファームウェアのバグじゃないのかなあ。いやま、そういう仕様です、と言ってしまえばそうなのかもしれないけど…