野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

なのにあなたは京都へゆくの

JR京都駅前のあたりというのは、なんだか空気が淀んでいるような、独特の雰囲気のあるところだと思う。
特に京都タワーの近辺なんかは、ちょっと気を滅入らすような気配で、何か邪悪なものも潜んでいそうな感じもある。いや多分そうなんだろう。あの辺のどこかに異界とのつなぎ目があって、そこから魑魅魍魎が街に流れ出さないように、ああやってタワーを建てたのにちがいない。あれは邪悪なものを封じ込めておくために打ち込まれた巨大な杭なのだ。
あの辺に近づくと、なんとなく生命力がダウンするような気がする。だからよほど用事がない限り足を踏み入れなかったのだが、訳あってあの京都タワービルで、こともあろうに食事などしてしまった。
すすけたビルに入り、ビビりながらエレベーターに乗る。またこのエレベーターが旧式で定員が少ないものだから、6名編成のわたくしたちは2回に分けて乗り降りをせねばならない。そうやって入ったのが、菜花亭という店だ。ぱっと見うす汚れた居酒屋という感じだが、一応は中華屋ということになっているようだ。なんのこっちゃ。
という、どうもあまりよろしくない印象のわりには、これが意外と良いのですよ。唐揚げとか焼きそばとか炒飯とか、そういうベタなもんばっかり注文してたけど、どれもちゃんと料理されてる、という感じで、けっこう美味しい。何といっても安いし。
いやーわからんもんですなあ。こんな店、まず自分で行くことは無いと思う。誰かに案内してもらう、てのは良いもんですよ。
でもやっぱり、よほど用事がない限り、京都タワービルには行かないだろうと思う。