野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

縁起物ですから

もう10月も終わりで、てことは11月に入れば今年も残すところあと2ヶ月、なんてそんな無体な話があるもんかと思うのだがこればかりは致し方ない。
さて11月といえば、最近ではすっかり季節の風物詩となったボジョレー解禁。たしかバブルのころから騒がれ始めたんだと思うんだが、それこそ嘉門達夫にいわせれば「そんなん言うてなかったやん」の部類だろう。
このボジョレーヌーヴォーというやつ、飲んだことが無いわけではないが、正直なところ美味いものではないと思う。そもそも、あれは醸造家のみなさんが、今年のワインの出来を予想するために、まず初物で確認してみるという、まあある種お祭り的な側面も無いことはないが、れわれ一般人が飲んでみたところで別段うれしいもんでは無いのだと思うのだ。たしか10年ぐらい前の11月ごろに、とあるフランス人とメシを食べているとき、日本ではそろそろボジョレーヌーヴォーが解禁なんでみんな大騒ぎなんだ、と言ったら、ふん、あんなもんありがたがって飲むのは日本人かイギリス人ぐらいなもんだな、などと言っていた。イギリス人も飲むのか。
てなことをぶつぶつと言っているうちに、今度はいつごろからだったか判然とはしないがイタリアの新酒ノヴェッロまで出回るようになった。ただこちらはボジョレーほどみなさん騒いでない。それなりに宣伝もしているのだろうけど、もともと11/6と決まっていた解禁日が10/30に変わるなど、なんだかエエ加減な運用をしているようなので、おそらくそこまで必死でもないのだろう。
で、そのノヴェッロ、そんなもんイタリア版のボジョレーヌーヴォーだろ、と馬鹿にして今まで飲んだことが無かった。で今年初めていただいてみたわけですが。いやこれ意外と美味いではないですか。ま、偏見はいかんですな。と言いつつも2杯目はパーチナで。