野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

Silicon Graphics Internationalのことじゃないんだよ

創価学会と平和主義」。こりゃまたヘヴィな感じ。
創価学会と平和主義 (朝日新書)

創価学会と平和主義 (朝日新書)

 

 2014年7月に、集団的自衛権の行使を容認する閣議決定がなされた。

自民党と共に連立与党となっている公明党はこれに賛成した。そこで多くの人は「ふざけんなよ公明党、『平和の党』が聞いて呆れるぜ」と思ったことだろう。わたくしもその一人だ。
ところが実情はちょっと違うようだ。閣議決定の全文をじっくり読んでみるとわかるらしい。そんな、官僚の作文を普通の人間が読めるわけがないのだけど(「外交実務を経験した人間でなければ読み解きが難しい部分がいくつもある」のだそうだ)。実は、集団的自衛権を行使するにあたっての縛りをかけ、骨抜きにしている。「名ばかり集団的自衛権」だ。つまり、公明党自民党の暴走を止める役割を果たしたというわけだ。佐藤氏の結論はこうだ。
公明党の平和主義は本物である。それは創価学会の平和主義が本物だからだ」(p.14)。
うーむそうなのか。解説を読むと、確かにそのようだ。「公明党とか創価学会という言葉を聞いた瞬間に思考停止してしまう人が多い」(p.14)という。はいわたくしもそうです。しかしそれではいかんのだ。考えを改めねばなりませんな。
創価学会公明党の歴史、両者の関係についての分析がなされているわけだが、そのほとんどは公の出版物や公式ウェブサイトの情報に基づいているという。まさにインテリジェンスの手法だ。
「これから知ろうとする相手や組織の内在的論理を摑むために、公開情報ほど適したものはない。先入観を持たずにテキストに向き合うと、さまざまなことを教えてくれる」(p.49)のだそうだ。
なるほどね。たぶん、ただ漫然と読んでもダメで、特殊な技法が必要なんじゃないかという気はするけど。
次は幸福実現党についての解説をしてほしいなあ。