野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

ちょっと盛りすぎなのもご愛嬌

統計学が最強の学問である」って、たしか結構なベストセラーになってたような気がする。気になりつつもなかなか手は出せず。でもこういうのはKindleで読むのにちょうど良い。

統計学が最強の学問である

統計学が最強の学問である

まあアレだ、タイトルのつけ方が上手いね。いや、内容もしっかりしてますけどね。セイバーメトリクス計量経済学も疫学も、もちろん統計学を基礎にしているわけで、その重要性については別に鼻息荒く語られなくても十分に理解しているつもりだ。けど、どういうわけか一部の人たちからは割とバカにされるみたい。そんな数字ばかりひねくり回して何がわかるんだ、みたいなね。そういう不当に低い評価をされ続けてきたことに対するルサンチマンってのが、この業界の人たちには根強くあって、それがこういう本では噴出するんじゃないだろうか。そのあたりを、決して格調高いとは言えないけれどもカジュアルな語り口でばさばさ斬りまくっていて、なかなか楽しい。統計に対する評価を下げる原因になっている、ダメな分析とかボンクラコンサルの話なんかもかなり面白い、が同時に他人事じゃないかも、と思ってちょっとどきどきする。
ただ、本気で統計学について勉強しようと思うのならば、あまりオススメはできない。俺様の知性の不調という可能性についてはあらかじめ排除して申し上げると、具体的な統計学の理論についての解説になると、これがさっぱり理解できないのだ。たぶん、前提にしている知識レベルがわりと高めなんじゃないかという気がするんだけど、どうでしょ。
という部分はあるけど、なかなか面白い。「全力で頑張る」だけでなく、何が「最善」なのか、を冷静に考え、見つけるためのツール統計学、というのは深く納得だ。