野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

二人ともお好きどすなあ

十代のころに吉川英治の「三国志」を読んでから、六十余年。
安野光雅さんと半藤一利さんは、そういう筋金入りのサンゴクシシャンであるらしい。安野さんにいたっては、三国志の絵本まで描いていたとは。知らんかった。

三国志談義 (文春文庫)

三国志談義 (文春文庫)

そんなお二人が、三国志について思うさま語り合う。三国志にかかわる土地や遺跡、武将や参謀の人物評、名言・至言(「三顧の礼」とか「白眉」とか「泣いて馬謖を斬る」とかいうアレね)、さらには俳句・川柳(三国志をネタにした俳句があんなにあるなんて知らんかった…)などなど、様々な切り口でのウンチクバトル。吉川英治だけでなく、「三国志演義」、さらには陳寿による史書まで読んでしまっていて、かつ俳句や漢文の知識もあり、おまけに第二次大戦を実体験している。てなことであるから、そりゃもうウンチク過剰にならざるを得ないわけで、話があちらこちらに飛びまくる対談は、そのディープさにただ圧倒されるばかり。いやあ参りました。