野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

ピナ・バウシュってヘビースモーカーだったの?

たまには、普段読まない、あるいは知らない作家の本を読んでみるのもよろしかろう。

ということで、書店で何となく目にとまった「私と踊って」という本を、特に内容も確認せず買ってみた。

 

私と踊って (新潮文庫)

私と踊って (新潮文庫)

 

 

恩田陸。ふーむ、聞いたことがあるような無いような。

とりあえず、短編小説集だった。やや、ホラーとかSFとかミステリー寄りな感じの。決してハードコアなものではないけれども。というとなんだか中途半端なもののごった煮みたいに聞こえるかもしれないが、いや実際のところそんな印象を持った。どうもわたくしは、「これはこういった種類の小説である」というのをある程度把握しておかないと、うまく読めない人種なのかもしれない、と思った。小説の種類とかジャンルによって読み方が違うのだろうか。自分自身を正しい「モード」に設定して読まないと、どうも文章がすんなりと頭に入ってこないのだな。
なぜか一編、「東京の日記」だけが横書きで最後のページから始まっている。個人的にはのこの話が一番好みかもしれない。大災害のあと、戒厳令下に入った東京の様子を、日本に住む外国人が日記形式で語る、てな話だ。しかしこれ「あとがき」にも書いてあったけど、今の日本の状況を見ていると、ちょっとシャレにならんかも、という感じだな。
とにかく、全体になんだか不思議な手触りの短編集だった。面白くて寝食を忘れて読み耽った!というわけでは決してないけれども、なんだかどこかに引っ掛かりがある感じの物語たち。ちょっと他の小説も読んでみようかなー、と思っている。