野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

ディセンシーは大切なんだぜ

以前読んだ「若者よ、マルクスを読もう」に、こう書かれていた。

対話におけるディセンシー(礼儀正しさ)はしばしばそこで交わされている意見の当否や命題の真偽よりも重要である(p.142)
そう、そうなのよ。特に、政治に関わるイシューというのは、とにかく激しい怒りをぶつけるとか、相手を見下したり馬鹿にしたりとかいう態度で語られることが多く、仮に正しいことを言ってる場合でも、なんかいまいち受け入れられない(さらにいうと、どう考えてもそれおかしいだろ、ってことを、こんなこともわからん奴は馬鹿だ、てな言い方で語るケースはもっと多くて気分が滅入る)。
そんな中で、高橋源一郎さんの語り口っていうのはそういう不快さがあまりなく、カジュアルでコロキアルでありながら、でもその内容はけっこう深く、鋭かったりすると思うのだな。
朝日新聞に連載されていた「論壇時評」が「ぼくらの民主主義なんだぜ」という本になった。
ぼくらの民主主義なんだぜ (朝日新書)

ぼくらの民主主義なんだぜ (朝日新書)

 
大事なテーマというのは、こういう風に語られなければならない、と改めて思う。本当に。