野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

あんたの思い通りになんてならないぜ

経済学というのは、人は合理的に行動するものである、という前提で作られたモデルの上に成り立っている。
でも実際には、人は必ずしも合理的に行動するわけではない。いや、人の行動なんてちっとも合理的ではない、と言ったほうが良さそうだ。だから経済学の理論と現実は合わないことが多いのだけど、人の行動の不合理性というのはランダムなのかというとそうでもない。むしろ、それなりの理論でもって説明できることが多い、つまり、ある程度は予測可能で、さらに言うと、コントロール可能ですらある。つまり「予想通りに不合理」というわけだ。

我々が日々行っている選択や判断の不合理性について、次から次へと実験の事例が紹介される。「無料!」の破壊力。プラシーヴォ効果。選択肢が減ることについての恐れ。身に覚えのあることばかりだ。いやまあ、薄々気付いてはいたのだが、やはりそうなのか、という感じ。我々は物事の価値や善悪を正しくは判断できない。まずはその事実について自覚することですな。話はそこからだ…