社会で生き抜くために最も有効な武器である「教養」とは何か。
なんて裏表紙で煽って、表紙ではマサルちゃんが眼光鋭くメンチ切っている「知の教室」を読んでみた。
まあいわゆるところのコンピレーションっていうんですか、エッセイとインタビューと対談と講義録の、色んな媒体に発表されたものの寄せ集めですな。個別にみれば面白いものも色々あるけど、ちょっと統一感なさすぎで、何でもかんでも突っ込んで挙句にずいぶんマッシヴなものにしてしまっているという。「毎月の締め切り本数が八十本。四百字詰め原稿用紙で千二百枚以上を執筆する」っていうんだから、わざわざ色んなものを寄せ集めて無理くり一冊の本にまとめなくても、と思うんだけどな。外交官時代に専門誌寄稿したという論考なんかも数本収録されており、まあレアものもありますってことで、さながらコレクターズ・アイテムか。
と、微妙な文句をいいながらもそれなりに楽しめましたですけど。とりあえず佐藤優という人の怪物ぶりはよくわかった。