野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

It's a rocket science.

先日「ロスジェネの逆襲」を読んだばかりだけど、なんだかドラマ化されるとかで書店でも平積みになっている「下町ロケット」を読んだ。

下町ロケット (小学館文庫)

下町ロケット (小学館文庫)

まあ「空飛ぶタイヤ」と同じ、と言ってしまえばそれまで。街の中小企業が思いがけない事故に巻き込まれ、そういう時には悪いことは連鎖していくもので、顧客を失い、銀行には見放され、資金繰りが悪化していく中で傲慢な大企業と戦いながら一発逆転を狙わなければならない、と。
でもねーこれが面白いのよねやっぱり。発端は特許係争なわけだが、この、大企業が有望な技術を持つ中小企業とかベンチャーの技術に特許侵害として難癖をつけ、法廷闘争に持ち込んで相手の体力を消耗させて潰す、なんてのはインテルあたりの常套手段だな。
現実にはそういうエゲツない会社が、「パラノイドだけが生き残る」なんて嘯いてたりするわけだが、やはり池井戸作品においては「正義が勝つ!」なのですよ。はっきり言って青臭い、のだけど、わたくしのようなエンジニア崩れにはまた、ちょっとばかしたまらない題材でもあり、例によって一気読み。
これまた結構なお手前でございました。