野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

やや内角を狙い、えぐりこむように打つべし

Kindleストアで適当に見つけて買った『戦略「脳」を鍛える』。だいたいこの手の小賢しいコンサルが書いたような本ってのは、どうも臭みが強くてなかなか手に取りにくいものなのだけど、まあたまにはこういうのも読んでみないとね。

和菓子のレシピを入手したからといって、いきなり老舗の味が出せるようになるわけではない。戦略の構築っていうのも、まあそんなもんなんだろう。世に溢れる何ちゃら戦略とか戦略立案ナントカというような本を読んだら素晴らしい戦略が作れるようになるのかというと、決してそんなことはない。

戦略構築とは畢竟ずるに、競争優位性を作り出すことである、とこの本は言う。定石はもちろん重要だ。だが競争優位性を作り出すにはそこからさらに一歩抜きん出る必要がある。それがつまり「インサイト」である、と。そして、インサイトを手に入れるために必要な頭の使い方というものがある。
インサイト=スピード+レンズである。
さらに、スピード=パターン認識+グラフ発想+シャドウボクシングであり、「拡散」レンズで視野を広げ、「フォーカス」レンズで狭く深く見て、「ヒネリ」レンズで思考をジャンプさせる。
なるほど。
って、いきなりこんなこと書いてもなんのこっちゃ、だが(面倒なので説明しませんごめんなさい)、なるほど。と思った。 こういうワーディングっていうのは、コンサルタントに独特なのかな。上手いこと言うな、と思った。
なるほど、よくわかった。よくわかったが、ここから先に、老舗の和菓子屋での厳しい修行が必要 なのだな。というわけでコンサルティングファームは今後も安泰ってわけだ。