野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

B面はないんですけどね

Kindle Singleなんてものがある。一冊の本になるほどのボリュームではない短編小説を、一編単位でバラ売りするわけだ。まさにシングル。
なるほど、ということで三浦しをんの「天上の飲み物」てえやつを読んでみた。
そういえば吸血鬼って死なないんだったか。何百年と生きていると、あらゆることに倦んで退屈しながらも煩悩は消えない。一方で環境に適応してきて日光やニンニクも平気になり、生き血以外のものも食べられるようになる。特に最近は甲州産の赤ワインがお気に入りだ。なんてちょっとふざけた設定で、でも不死であることの哀しみ、みたいなもので香りづけした、まあ気楽に読める一品だ。
たまにはこんなのも良いかもね。