野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

ジャスミンとウ○コのあいだ

なんかちょっとイヤな感じの小説でも読んでみたいなーという気分だったので、沼田まほかるの「痺れる」をKindleにて。

痺れる (光文社文庫)

痺れる (光文社文庫)

まほかるさんはイヤミス作家に分類されるけども、最初の「林檎曼荼羅」以外はミステリーじゃないよなこれ。トリックなんてどこにもない。そのかわりに不条理と暴力と妄想が、日常の裂け目から染み出してくる感じ。期待通りに不快な話ばかり。不快なのに読み進められずにはいられない。
そういえば香水や香料には微量のスカトールインドールが使われているという。これらは糞便の臭いのもとになる物質だ。量によって悪臭にもなれば芳香にもなるというわけだ。スカトールをちょっと多め(悪臭寄り)にして、明らかに臭いのだけど、何かのはずみで魅力的な芳香をふと感じることがある。そんな感じだろうか。
いや、はからずも名著をウンコ扱いしてしまった。申し訳ない。というわけで、イヤな感じで楽しめましたです。