で8時半過ぎに起きた。4時間ほどの睡眠だったが、意外とすっきり。
さてそんな出張だったので待ち時間は腐るほどあり、まあボリュームの大きくない本なら一冊ぐらいは読めてしまうわけだ。
てことで、そのうち読むかなと思って先日Kindleに仕込んでおいた「若い読者のための短編小説案内」を読んでみた。
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2015/11/21
- メディア: Kindle版
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村上さんは1990年代に、日本文学の授業として「第三の新人」と呼ばれる作家の作品を読み込み議論する、というのをプリンストン大学とタフツ大学でやっている(「やがて哀しき外国語」に詳しいですね)。それと同じような内容を日本でやったというわけだ。
「第三の新人」と呼ばれる作家で、ここで取り上げられているのは、吉行淳之介、小島信夫、安岡章太郎、庄野潤三、丸谷才一、そして長谷川四郎。わたくし日本の小説もそれなりに読んできたつもりでいるが、取り上げられている短編小説には、読んだことのあるものはおろか、聞いたことすらないものばかり。あえてマイナーな作品ばかりを選んでいる、とはいうものの、それでも他の作品なら読んだことがあるのが吉行淳之介だけだ。恥ずかしながらここで初めて名前を知った作家も。なんとまあ。
各作品の読み解き方は、なるほどプロの作家というのは、こういう風にテクストを読み、感じ、評価するのだなというのが垣間見られ、さらに、そこに村上さん独特の表現も加わってなかなか面白い。でもやっぱり、自分でも読んだことのある小説だともっと面白いだろうにな、と思うとどうにも残念だ。
いくつかの作品を読んでみてから、あらためてこの本を読んでみるといいんじゃないかな、ということで、いずれまた。